3階建てのエコハウス 続き

今年は各地で早々に桜が満開になっています。やはり、地球温暖化が進んでいるのですかね?地球温暖化の影響が本当に深刻であるのならば、日本の住宅における省エネ基準づくりは本当に今のままのテンポで良いのでしょうか?課題山積のように思うのですが...

さて、前回の続きで京都三条エコハウスの事を書かせて頂きます。

あしづかホームでは、エコハウスとしては、初めて3階建てを建築させて頂いたわけですが、準防火地域内ある事や、間口は郊外の敷地と比べると余裕が少ないこと、そして2階建てと比べて高さ方向の距離が長いといった具合で、普段よりも検討しなければいけない項目が多かったです。

準防火地域であるため窓の選定は悩むところなのですが、あくまでも性能重視である為、木製か樹脂フレームにトリプルガラスという仕様は必須です。その中で、防火認定品はすごく限られております。そして、今回は木製と樹脂製の2タイプを採用しました。

木製品はスウェーデン規格で造られた国産のNORD、又、樹脂製はYKKapのAPW430です。共に高性能でありながら防火認定品であり、本当にありがたい存在です。

現状では、防火認定品の場合、この2つがベストであると考えておりますが、他メーカーも、もっと積極的に販売していただきたいところです。

以前からお伝えしております通り、トリプルガラスの高性能窓であっても、断熱性能は、壁の断熱材の厚みで換算すると、グラスウール50mm程度でしかありません。

そう考えると、トリプルガラスの高性能窓はマストとなりますので、多くのビルダーが普通に採用しスタンダードなものとなって欲しいですね。

そして、続いては、屋根や壁の断熱材の厚みについてです。比較的、間口の幅寸法が限られた場合は、設計する立場からすると、作図する際に、出来るだけ室内空間を確保したくなります。それは、あたり前のことではあるのですが、その考えが従来の建物からアップデート出来ていないと、いつまで経っても壁厚の考えが変わらないです。

それには、日本の快適性や省エネ性に対する法規制がほぼ無いという状況が続いている事が大きく影響していると思いますが、もしも、そこの法律に“年間暖房需要30kwh/㎡以下”とか“断熱等級7”なんかが義務になると、壁の厚みは今までよりも厚くせざるを得ないです。

実際のところ、世界の流れはそうなっているので、そこは必須と考えれば、抵抗なく壁厚を増やして計画していけると思います。

その、壁厚を増やしたうえで最善のレイアウト計画をしていくことが、住人の方にとってベストであります。

京都三条エコハウスでは、実際に、そういう考えで当初から計画を進める事ができましたので、壁の付加断熱もしっかり施工し、壁断熱210mmとなりました。又、屋根断熱やオーバーハングの床は、壁に見合ったスペックで330mmとし、外皮性能は理想的なものとなりました。そうすることで、建物全体での温度ムラは、かなり軽減されるはずです。

外皮性能が確保されて、はじめて換気や空調の計画が活かされます。次回に、そのことについて書いていきますので宜しくお願い致します。

蘆塚

2023.03