温熱環境はシミュレーションが必要

今季は暖冬という事で雪を見ることが無いのかな?と思っていましたら先週は寒波が来ましたね。

あしづかホームのある大津市南部でも量こそは少ないですが積雪がありました。滋賀県は南北に長いため、同じ県内であっても積雪量はかなり変わってきます。この辺りは積雪2cmぐらいでしたが北部の方は平地でも40cmぐらいあったようです。

このように寒い日が続いた先週ですが、昨年、完成されたお客様のお宅にお伺いする機会がございまして午前中に1時間ほど滞在させて頂きました。

その時の感想としましては、玄関を開けた瞬間から室内は非常に暖かく快適そのものでした。

そのお宅は、建物が真南に向いており、南面に障害物が無い好立地であります。その日は、特別日射量が多いわけではありませんでしたが、やはり、障害物の無い南面の窓からの日射は暖房器具に値するという印象です。外気温は3℃でしたが、室内は24℃ありまして、更にはエアコンの運転状態を見ると“電源オフ”でした。

お客様にエアコンも使用状況をお伺いすると、この冬は殆どエアコン(暖房)を使用していないとの事です。

やはり、こういう状況を目の当たりにすると、立地条件の大切さや設計時に日射をどれだけ意識出来るかというところが肝であると改めて感じるところです。

日本では、設計の際に温熱のシミュレーションを行うという事が、あまり浸透していない気がします。

温熱のシミュレーションは、専用ソフトを用いて確認出来るのですが、その作業を行い建築された建物と、されていない建物では、同じコストをかけていても、住み心地や光熱費が全然異なる結果がでてくるのではないと思われます。

因みに、あしづかホームでは『建もの燃費ナビ』というソフトを使用しておりまして、パッシブハウスの認定時に使用するPHPPというソフトとも連携しており非常に便利です。

本当に快適な建物をつくるという事は、実は、かなりの手間暇をかけないといけませんが、現状の日本では、なかなか、そういう意識が薄くビルダー側の生産性優先で進められているケースが多いです。

住宅の基本性能は、一度、建ってしまってからは簡単に変更が出来ませんので、住宅建築の際には漏れなく確認していきたいですね。

蘆塚

2024.01