施工現場を見たことありますか?続き

前回からの続きで構造見学の事について書いていきます。

構造見学に実際に行かれた際に見て頂きたいポイントは幾つかございますので、そこを確認していきます。

<断熱材の入り方>

気密シートが貼られている状態であれば1枚目画像のようにしっかりとは見えませんが、殆どの気密シートは半透明ですので、よく見ると断熱材の入り方はうっすらと見えて、断熱材の周りに隙間が無く施工されているかは判断出来ると思います。1枚目画像の場合は裸のグラスウールですので、充填部分は柱サイズの厚みで、付加断熱部分も木桟サイズの厚みで施工するため厚みも含めてそのあたりは非常に分かりやすいです。

ただ、断熱材の種類によっては施工状況が分かりにくいものもございます。同じグラスウールでも袋入りのものは袋のビニールが比較的透けにくいものが多くて、中の断熱材の状況が見えづらいです。

あと、2枚目画像では窓の設置部分から壁断面が確認できて、付加断熱を含む壁の厚みが分かります。この画像は充填断熱と付加断熱の合計で210mmあります。

<気密シートの貼り方>

気密シートにも幾つかの種類はありますが、最近では調湿性能を持つシートを使用するビルダーも増えていると思います。理由は簡単で、結露リスクを少しでも減らしたいということです。そういうシートの殆どは、施工性を考慮して目盛りのようなラインが入っており施工時に、シート自体のシワやたるみが気になるようになっており綺麗に貼りやすい工夫がしてあります。

実際に、見る側としてもシートの貼り方に歪みがあれば気になりますし、シワやたるみが多いと、全体的に多少ラフな施工になっているので、気密の値も悪くなる傾向であります。

あと、シートの継手処理もどのようなテープで行われているか確認が必要です。比較的めくれやすいものもありますので、どういう製品であるか見ておく方が良いと思います。

シートの継手処理に関係する事では、3枚目画像のように胴縁(木桟)を施工しているかどうかも結構重要です。私は胴縁の施工をする方が、メリットがあると考えております。理由は4つあり、先ず“コンセントやスイッチ部分の断熱欠損が無くなる、”次に“壁に対して何かをビス留めする際に気密シートを傷つけない”、3つ目が“将来的にコンセントの追加や移動など配線作業が行いやすい”、そして最後に“気密シートがしっかり押さえる事ができてテープ処理箇所を減らせる”といった内容です。

<貫通部・窓周りの処理>

気密処理の中で重要なのが、貫通部(4枚目画像)と窓周り(5枚目画像)の施工です。

貫通部につきましては、専用パッキン材みたいな製品もいくつかでてはいるのですが、私の場合は画像の施工方法が一番安心できます。色々と試した結果、スリーブ周りにしっかりシリコン剤を充填するのが効果あるかなと思います。

また、窓周りですが、従来の国産サッシでは、開口部にあまり隙間を設けずに取付けて隙間の処理は特に行わない方法が多かったように思います。その為に、その隙間から漏気し、冬場には結露もします。そういった事をおこさない為にも、窓周りの処理は大切であり、あえて10mm程度のクリアランスを設けて断熱性能を有する専用のパッキン材(画像5枚目)を入れて、漏気と結露を防ぐ対策を行いたいところです。

他にも見ておきたい箇所はございますが、今回はこの辺りで終わりにします。

蘆塚

2023.07