余計なことをする必要がない

最近、お客様より良く聞かれることの一つとしまして「エアコンの方式」についてです。

どういう内容かといいますと、エアコン1台でお家を暖めたり冷やしたりするには“床下エアコン”や“小屋裏エアコン”といった方式でないと出来ないのでは?というふうに尋ねられます。

しかし、あしづかホームでは上記のような方式は一切行っておらず、そのような方式は必要性が無いと考えております。

今は時期が冬ですので暖房について書かせて頂きますが、そもそもの考えとしまして断熱性能と気密性能が一定以上の基準をクリアしていれば室内の温度は何処の場所でもある程度ムラが無くなります。

何処の場所でもというのは、居室、廊下、浴室といった各スペースもそうですし、そのスペースの天井、壁、床に関してもです。

1枚目の画像は、昨日伺った宇治田原パッシブハウスの1F居室の床です。フローロングと磁器タイルの箇所が写っておりますが、2枚目のサーモカメラで撮った画像をご覧いただきますと21.1℃ございます。この時の室温は3枚目の画像で確認頂けますが22.8℃で床が冷たいと感じる事は全くなく、何も知らずにこの部屋に入った人の殆どは床を暖めていますか?と尋ねられるレベルです。

因みにこの日は比較的晴れていたので無暖房であり窓からの日射で暖まっている状態です。当然、足元から暖めている要素は何らございません。

このように断熱性能と気密性能が一定以上確保されている場合は、エアコンをわざわざ床下に設置するような必要が無くなります。間仕切りが少ない間取であれば壁掛エアコンが1台あれば十分ですし、間仕切りがある間取であっても換気システムの給気経路を利用したエアコンを1台使用すれば問題なく建物全体が暖まります。

床下エアコンを使用しないと足元が寒く感じる状況は、断熱性能と気密性能が未だ足りていないからで、私の場合は余計な小細工をする費用と労力があれば単純に断熱量を増やして気密処理にもっと真剣に取組んだ方が良いと思ってしまいます。

しかし、床下エアコンを最初に考えて実践されたのは何方なのか存じませんが恐らく今よりも断熱気密が全然浸透していなかった頃だとは思います。その時代に床下エアコンという方法が生まれたのは、ある意味必然だったのかも知れませんし、アイデア自体が素晴らしいとは思います。

その頃、私なんかは未だ断熱気密について全然知識が無かったはずですから...

蘆塚

2021.12

高気密高断熱

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