前回からの流れで、もう少し敷地の事について書かせて頂きます。

市街地の住宅地の場合に、選定する土地によって建物内の温熱環境が左右されるという事を申し上げましたが、将来的に日本にもパッシブハウスの考えが根付いていく事があるのならば敷地の価値観が今とは変わってしまうかもしれません。

 

それは言うまでもなく南側から日射取得しやすい敷地の価値が高まり、そうではない敷地は人気が無くなる恐れがあります。

今まででも、分譲地の販売単価は、どちらかといいますと南側道路の敷地に人気があり単価は高いと思います。しかし、それはあくまでも南側道路という理由だけで、日射取得の条件が良いとは別です。どちらかといえば、家相的な発想の理由かと思います。

しかし、パッシブハウス的な考えでは、接道方向は正直なところどちらでも良くて“南側に障害物が無い”とか“南面の間口が広くとれる”とかの方が望まれます。

いくら南側道路であっても、日射を妨げる建物があったり、南面の間口が狭くて開口部(窓)の面積が全然とれないようでは、あまり喜ばれません。

でもこれまでの日本国内の分譲地を見ていると区割りの仕方が、分譲会社の効率や利益を最優先しており、とりあえず区画数を多くすることに全力を注いでおりました。

その為、日射取得についてはあまり良い条件にする考えはなかったと思います。

 

でも時代が変わり、日本もカーボンニュートラルという意識が少しずつ芽生えてきて、これから更に広がる可能性がある中“年間暖房需要”という言葉も今より浸透していくと思われます。

そうなっていくと、消費者の皆様は「少しでも条件の良い土地」を求めることになりますので、もしかすると分譲地の在り方にも変化が出てきて、今までなら10区画とれていた分譲地でも、日射取得優先の考えで6区画しかとらないといった感じで、今の常識とは異なった区画の割り方がでてくるのかもしれません。

そして、分譲会社等の意識もそうなっていかなくては本当のカーボンニュートラルを達成する事は難しいのかなとも思います。

 

蘆塚