前回、全館空調について書かせていただきまして、今回は、全館空調を使用して快適にすごす為には何が大切かをお伝えさせて頂きます。


先ずは、建物自体の断熱・気密性能です。以前から常々お伝えさせて頂いている事ですが、ここの性能が良くないお家に全館空調はお勧めしません。逆に性能が良いお家には凄く効率よく働きますので断然お勧めです。
理由はホントに簡単で、断熱性能が低く隙間の多い家は、外気の影響をまともに受けますので以下のようになります。(冬の場合)
1.暖房の暖かい空気がすぐに冷えて室内が暖まらない
  <暖まらない訳>
  ・断熱性能が低いので熱が外部へ逃げる
  ・気密性能が悪いので隙間から熱が外部へ逃げる
  ・断熱性能が低いので外部の冷気が室内に入る
  ・気密性能が低いので隙間から外部の冷気が室内に入る
2.窓が結露する
  <結露する訳>
  ・窓の性能が低いので外気の温度にすぐに近づく(露点温度になる)
  ・空調の効きが悪いので風量をあげる → 室内乾燥する → 加湿器つける → 負のスパイラルの始まり → 湿度が上がり露点温度も上がる → 窓の結露をアシスト
3.エネルギーを沢山使用して光熱費が高い
  <エネルギーを沢山使用する訳>
  ・断熱・気密性能が良くないのでエアコン器具メーカー指示通りの大容量な器具を設置する
  ・大容量な器具を設置した結果、対流(気流)がおこる → 足元が特に冷える → 風量上げる → 更に対流(気流)がおこる → 暖房器具を追加する → エネルギー使用量が増加

大まかにはこのような状況になっていき、全館空調の良さは全然感じられない結果を招く事になる可能性が高いです。


一方で、断熱・気密性能が良い建物では先にあげたような問題がほぼほぼ解消され少しのエネルギーでとても快適な空間が得られます。
延べ床面積が40坪程度以下の建物であれば、5kw以下の家庭用タイプのエアコン1台で十分です。ただし、そうする為には目安としましてUA値で0.4は必ず下回る事(できれば0.3)、又、C値に関しては0.5以下必要になります。
性能が良い建物の場合は、エアコン容量が小さいだけでなく、風量設定も一番弱くて大丈夫で、むしろ弱い方が気流感もなく過ごしやすいです。
私も、あしづかホームのコンセプトハウスを建てるまでは、その快適さについて半信半疑でした。その為、当初は後からエアコンを追加できるように各部屋に予備電源をとっておりましたが、蓋を開けたらそのような心配は全く不要で、ただただ無駄な工事になりました。
あとは、設定温度も一番寒い時期でも21℃で大丈夫なのです。性能が良い建物は温度ムラが出来にくく足元も寒くなりません。
本当に快適な空間を望まれる場合は、間違っても断熱・気密性能について基準を下げないでください。ZEH基準レベルではダメです。
その判断を間違えると、後々取り返しのつかない方向へと進んでいきます。その判断は、エンドユーザーの皆さんが自分自身で行うことになりますので、しっかりと意思をもって少し調べて下さい。そして、正確な情報を知って頂くだけで失敗する可能性が減るわけなので、是非、実践して頂ければと思います。

蘆塚