日本の窓

今回は窓について書かせて頂きます。

以前からお伝えしておりますように、日本の建物は他の先進国と比べると全体的に性能が非常に劣っております。

建物に使用される部材も同様で、窓や玄関ドアといった開口部につきましては、その国の性能に対する考え方が顕著に表れる部分であると考えられます。

日本の新築住宅で一般的に使用されている窓は、ヨーロッパ諸国の製品から比べると性能は半分にも満たないレベルです。

それは、大手ハウスメーカーと呼ばれるビルダーが建てている高額とされる住宅であっても同様です。しかし、自ら性能について調べようとされないエンドユーザーの方々は、それが良い性能だと信じて購入し使用されています。

現代ではインターネット等で情報が沢山ある訳ですが、未だに営業マンのセールストークだけを信じて高額な物を購入されるのは、あくまでも自己責任という事ではありますが、非常にもったいないですね。

では、何故、日本は、いつまでもこのような状況が続き、他国よりも窓の性能が劣っているのか?考えていきたいと思います。

先ず一つ目の理由ですが、これから住宅を建築しようとしている殆どのエンドユーザーさんが、本当に性能の良い建物を知らない。又は、見たことがない。と、いうことです。

もしも、本当に性能の良い建物を既にご存じであれば、アルミ樹脂フレームのペアガラス窓で納得される訳がないと思います。

今までアルミフレームの窓で生活していると、アルミ樹脂フレームのペアガラス窓が良く見えてしまうのは分からなくもないですが、木製や樹脂フレームにトリプルガラスの窓を当たり前に普段から使用していると、アルミ樹脂フレームのペアガラス窓は非常にチープな印象で、先ず選択肢には入ってこないはずですので、もっと高性能な窓を知って頂く必要があると思います。

二つ目の理由は、国産大手窓メーカーの怠慢。

最近では、国産大手窓メーカーの樹脂フレームのトリプルガラス製品も以前よりは増えてきました。しかし、まだまだ主流ではありません。

未だアルミフレーム製品も作り続けておりますし、アルミ樹脂フレームともども生産を止めるという計画は今まで聞いた事がありません。

恐らく、行政が何らかのルール作りを行わない限り今まで通り作り続けると思われます。何故、メーカー自ら切り替える努力を行わないのでしょうか?

日本の“ものづくり”ってこんな感じで良いのでしょうか?何か誇りであったり、意地であったり、そういったものは何処に行ったのでしょうか?

どうしても、現状を見る限りでは考え方が姑息でやる気がないとしか見えないのです。

アジア圏でも樹脂サッシの普及率は既に中国、韓国に差をつけられておりますし、今のままでは世界とは到底戦えないです。

もっと、世界に誇れるものづくりをして頂きたいところです。

そして、三つ目の理由です。

これが一番の理由かもしれませんが、行政が何もルールをつくらないという事です。

これに関しては、建物性能や窓に限ったものでは無いのでしょうが、日本の行政は真面目に仕事をしていないですよね。それが何故なのかは、私に確かな情報が一切ないので分らないです。

ただ、唯一分かっていることは、行政が何もしないという事だけです。これに関しては、ただ単に真面目に仕事してくださいとしか言えないです。本当に頼みます。

今回は、こんな感じなのですが、次回にもう少し窓の性能の事など書かせて頂きますので宜しくお願い致します。

蘆塚

2022.11

次の記事

窓の性能