太陽光発電のアース線

8月も後半になりましたが、未だ厳しい暑さが続きます。真夏の期間が本当に長いですね。

それに加えて、各所でゲリラ豪雨も増えて地球の気候は一昔前の常識からは確実に変化しています。

 

気候の変化は、住宅建築においても影響があり、断熱強化や日射遮蔽といった暑さ対策は真剣に向きあわないといけない状況になっているのと、雨量の増加により雨樋の容量も多くしなければ排水が追いつかないといった事態もでてきております。

20~30年前では、想定していなかった事が色々と増えていき私が携わる仕事でも、日々、学ぶことが幾つもあります。

そういう中、今年の梅雨時期に初めて経験した現象を紹介させて頂きます。

それは、太陽光発電のアース線から漏水するという事例です。この言葉だけだと、どういう事なのかさっぱり分からないと思います。

画像1枚目にあるのは、屋内に設置された太陽光発電の接続箱というものです。接続箱は屋根に設置された発電パネルからの電力を集約する箇所で、発電パネルからのアース線も引き込まれます。

今回は、その接続箱の底から漏水があり、お客様が気付くことになりました。

 

それでは、何故、そのような箇所から水漏れがあるのか?最初に思いつくのは、『発電パネル(外部)から、壁貫通部分の入線箇所の止水処理が甘く、そこから侵入した水がアース線伝いに接続箱までくる』といった内容かと思います。

私も、それを疑って天井点検口から、壁貫通部分や道中のアース線を確認しましたが、一切濡れているところはありません。更にいいますと、アース線以外の何処を見ても濡れている箇所はありません。非常に不思議でした。

しかし、画像2枚目の接続箱内のアース線(緑色の線)に水滴があります。この水滴は、何度拭いても、しばらくすると出てきます。画像3枚目のように先端のカバーをずらすと、ちょうどビニールの被覆と金属線の間から水が出ているのが確認できます。

そうなんです。こんな箇所から水が伝わっていたのです。こんなこと思いつきますか?私も初めての経験でびっくりしました。

この現象が起きた日は、非常に雨量が多く、降っている時間も長かったです。これまでの通常とされてきた雨では起こらなかった事ではありますが、現代の豪雨では起こってしまいました。

たまたま、このお宅にお住いのお客様は、機械系に詳しい方で、この件についてお話ししていると、アース線の被覆と金属線の間で毛細管現象が起こり、今回のような漏水が起こったのではないか?との事でした。

 

これまで、アース線からの漏水という事は、全く想定しておりませんでしたが、今後は端部の処理なども慎重にしていく必要がある事が解り、非常に貴重な勉強となりました。

何十年と同じ仕事をしていても、経験をしてみないと解らないことがあります。多分、それは、今後、もっともっと増えていくんでしょうね。

 

蘆塚

2026.8