スクラップビルドしないロングライフ住宅
前回の続きになりますが、LCCMという言葉聞いたことありますか?
ライフ・サイクル・カーボン・マイナスの略になりますが、意味は、「新たな建物の建設・運用・解体・廃棄までの一生涯に排出する CO2を徹底的に減少させる」という事で、世界の流れは確実にここになっています。
何故か日本では未だ呑気に構えており、これに対して具体的な法律や規制はありません。
ですので、新築して5年で解体し廃棄しても何の処分もありませんし、今後もハウスメーカーの住宅展示場は今まで通りスクラップビルドをショートサイクルで繰り返すことでしょう。
もう本当にこんな事をしている場合では無く、1つ1つの建築に対して、もっと真面目に向き合っていくべきなのです。資源にも限りはありますし、何より解体・廃棄によるCO2の排出を減らす為にも、今後建築していく建物に関しては、より長く使用できて、かつエネルギー使用量を少なくできるものを造っていくのが、私たちの最低限の役目かなと思います。
又、エンドユーザーの皆さんも、そこをしっかりと見極める選球眼を養っていただきたいです。
具体的な法律や規制が無いということは、世間の関心が薄いという事の表れのように思うのですが、逆に考えると世論に動きが無い限りそこにメスを入れない政治や行政は、何を目指しているのか?将来や未来の事を真剣に考えているのか?を知りたいです。
これから人口減少が予想されるなか宅地開発やインフラ整備なども含めて“スクラップビルドしない”そして“ロングライフ(住宅)”のものづくりという考えが当たり前になっていく世の中に早く生まれ変われば良いなと思います。
蘆塚
2019.10