価値ある建物を適正価格で

梅雨のような天気が続きますね。

今回は、前回の内容に関連することを書いていきます。

日本の住宅市場は、販売面において長らく大手ハウスメーカーが主導していたと思います。

前回にも記載の通り、全国に展示場を展開し、テレビCMを流し、圧倒的な知名度でユーザーを獲得してきました。

高度成長期からの質より量に重きを置いた時代では、工場生産であるハウスメーカーの工法が、ある程度、一定した品質で、安心感があり、ユーザーにウケたように思います。それが相場よりも高い金額であると分かっていてもです。

 

しかし、現在のように物価高騰で建物価格が上がってきた時代では、中身に対して金額が高すぎる印象となってしまいました。

それは、近年の物価高騰と時期を同じくして、住宅性能も上がってきたからです。ハウスメーカーの場合は、耐震に対しては意識して取り組んできていたと思いますが、断熱、気密といった温熱環境については、全然前向きではありませんでした。

工場生産であれば、一定基準は出来そうなものですが、なかなか難しいみたいですね。様々な要因があるのでしょうが、プレハブ系の何れもが、気密測定すら行わない事が、それを表していると思います。

 

それが原因なのかは定かではありませんが、日本の建築基準法で、気密性能の義務基準はありません。なかなか、おかしな話です。

現在では、一応、断熱について等級4という義務基準ができました。内容はともかく、最低基準があり、さらには等級5、6、7と目安になる上位基準があります。

それにもかかわらず、気密基準が無いのは、誰かが圧力をかけているか、誰かに忖度しているか、そんなことしか思いつきません。

結局、長年そんなことをしている間に、日本の住宅性能は、世界から遅れをとり、先進国とは言えない内容になってしまいました。そして、ユーザーも大手ハウスメーカーの建物性能が最高であるようなイメージを持ち続け、現在でも、まだ、そういう認識は一部残っていると思います。

 

ただ、一方で、大手ハウスメーカー以外のビルダーは、断熱、気密といった性能の向上を進める会社が随分と増えました。

今では、断熱等級7がやりすぎであるという風潮は大分なくなってきており、むしろ断熱等級7は必要と思い始めている会社は多くなったのではないでしょうか?

事実として、ビルダーのSNSやホームページには断熱等級7の建築が可能といった趣旨の記載が増えました。また、モデルハウスなど新規でつくる際は、断熱等級7が珍しくなくなりましたし、むしろ、これからつくるモデルハウスで断熱等級6以下というものは、ある意味、チャレンジャーとなるのではないでしょうか。

 

このように、近年、住宅市場は以前と比べると状況が変化してきており、今後の人口減や、気候変動、又、世界情勢などを考えると、ますます建物の質が重要になります。

それには、長期的に高性能を維持して使用できることが必須条件であり、更には、そういう建物が、一般の消費者層が購入できる適正な価格であるか?ということがカギになると思います。

このことを言葉で表すと当たり前の内容に見えるかもしれませんが、実践するとなると意外と難しいのかもしれません。

実際に、日本の大手ハウスメーカーでは、これまで出来てこなかった訳ですし、今後できるようにも思えません。

そうなると、出来る可能性があるのは、我々のように販売面で余計な経費をかけないビルダーで、かつ一定レベルの技術を持つことが条件になります。

 

とにかく、今、日本の住宅市場は、転換期にあると思いますので、あしづかホームでは、『価値ある建物を適正価格で』という言葉を胸に刻んで、日々、努めてまいりたいと思います。

 

蘆塚

2026.9