サステナブルに暮らすとは?

サステナブルという言葉が使われだしてから随分長くなると思います。この言葉の意味は日本語で「持続可能な」ということらしいです。

「sustain 持続する」と「able できる」を組み合わせた造語で、建築、衣料、食品など今となっては、ありとあらゆる様々な分野で耳にします。

その耳にする多くは、商売の切り口として、エコを謳ったサステナブルである製品や空間、また、イベントなどで、イメージのみが先行し本当の意味からは、ずれているケースも結構あるようにも思います。

例えば、エコバックという商品があります。各メーカー・ブランドがこぞって製造する為、世の中に大量のエコバックがあふれていたりします。本来は、あふれてはいけない物であるはずですが、皮肉な結果となっています。

環境の為に、本当にサステナブルに暮らすというのであれば、身の回りのあらゆる製品について、メーカー側は新しく製造しない、ユーザー側は買わないという事が一番のサステナブルなのかと思います。

例えば、住宅の場合は新築せずに中古に住む、服も新しいものは買わずに古着を着るという風にリユースを中心とした生活が理想になる訳です。

しかし、それでは新しいものを製造、販売する企業は、経済が回らず、企業経営が“持続できない”という事になってしまうので、これもまた、言葉の意味からするとサステナブルでは無いとなってしまいます。

だからといって、経済の為だけに新しいモノを製造・販売を繰返していると、これまでと何ら変わらない暮らしになります。それでは、一体、どういう仕組みにしたら良いのでしょうか?

納得のいく答えは、なかなか難しいのかもしれませんが、結局のところメーカー側は新たに製造・販売するものは耐久性の高く耐用年数の長いものをつくる。また、ユーザー側は、そういう耐用年数の長いものを購入する事を基本としなければならないのかもしれません。

一戸建住宅の場合ですと、日本の場合は、長らく建物の耐用年数は25~30年といわれ非常にライフサイクルが短いとされてきました。これでは、リユースも困難となり、とてもサステナブルな暮らしとはいえません。

例えば、その耐用年数が70年、80年が当たり前であると2~3世代と受け継ぐことが出来ます。

これまでの消費する文化から、残す(保存する)文化へ移行しなければ“サステナブルな暮らし”は出来ないと思いますので、先ずは自分自身が携わる住宅造りにおいては、そこをしっかり考えていこうと改めて思います。

蘆塚

2025.09