高気密高断熱という言葉
GWということで、世間ではお休みの方も多いと思います。この時期は新緑が綺麗で、窓を開けて気持ち良く過ごせる個人的に一年を通して一番好きな季節です。
さて、今回は、ここ近年で一般化した“高気密高断熱”という言葉について書かせていただきます。
この言葉については以前にも数回触れてはおりますが、最近はどのビルダーでも“アピールポイント”として使用しているので、ちょっと昔から比べると意味合いも変わってきている気がします。
昔は、“高気密高断熱”といえば一部のマニアックなビルダー(特に工務店)のみが使用していた感じでした。そのビルダーは、どちらかといえば、少数派で少し変わった人たち...(笑)みたいな扱いもありました。
当時は、エンドユーザーの方々には浸透していないので、あまり意味が分からない言葉であったはずです。
しかし、今では、殆どの方が、大体の意味やニュアンスは分かっているのではないでしょうか。
それには、今年(2025年)4月より省エネ基準の義務化(断熱等級4)が行われたり、ZEH基準(断熱等級5)や断熱等級6以上に対しての補助金が出来たりといった背景があると思います。
ただ、そのことによって、義務基準を上回っていれば“高気密高断熱”であるというような感覚にもなってきていて、気密測定も行っていないようなビルダーであっても謳い文句として使っています。
性能向上が、全体に浸透していくということは、もちろん良い事ではあります。ただ、浸透して一般化すると、その内容が薄まっていくという弊害もでてくるのですね。
そのことによって、しっかりと勉強していないエンドユーザーの方たちは、結果的に思っていたものとは違う建物に住むことになり、後に悔やまれるという事もでてくるかもしれません。
そういう事が無いように、何が正しいかというものをしっかりと知って頂きたいとは思います。
そう考えると、昔の“高気密高断熱”というマニアックなカテゴリーである方が、エンドユーザーの方からするとビルダー選定の際に安心感があったのかもしれません。
いずれにせよ、滋賀県という場所で、本当に省エネで快適に過ごすには、UA値は0.3以下でC値は0.5以下という性能が求められる時代ではないでしょうか。
蘆塚
2025.04