見えないところが大事です

家づくりの中での興味を持つ箇所は人それぞれです。ただし、人々の多くは見えるところには意識がありますが、完成して最終的に見えなくなる所にはあまり興味無いようです。

そこは、“業者側がしっかりやってくれているだろう”とか“素人なのであまり分からない”ぐらいの意識で真剣に向き合っている人の割合は低いと感じます。

しかし、長期的な耐久性や温熱的な住み心地を左右するのは、「見えないところ」の材質、施工精度であると考えます。

という事で、あしづかホームで普段から取り組みさせて頂いてる“見えないところ”の材料や施工内容をご紹介します。

・断熱材は?

基本的には、裸のグラスウール(袋に入っていないもの)で施工します。ロックウールとともにヨーロッパではミネラルウールと呼ばれる材料で、正確な施工がなされている場合は極めて性能劣化の可能性が低い材料です。

私自身は特にグラスウール信者ではありませんが、裸のグラスウールの場合は、施工精度が分かりやすいという事と、性能に対しての費用対効果が高いと思い使用しております。

又、裸のグラスウールで正しい施工方法を理解する事により断熱気密の施工上での要点が身につき、他の断熱材を使用する際にも順応が可能になるのかなとも思います。

他にも良いと思われる材料は多くございますが、いずれにしても大切なのは施工精度であり、又、他に使用する材料との構成上で問題が無いか?等に気を使いたいですね。

・気密処理は?

気密処理に関しましては、施工上あらゆる箇所に気を付けており、その全てをご紹介すると大変な量になってしまいますので、今回は以下3点について書かせて頂きます。

1.気密シート

先ずは材料選定からですが、あしづかホームでは調湿性能を有するシートを使用します。

基本的には国産でこのようなシートがありませんので、どうしてもヨーロッパの製品に頼ってしまいます。何故、調湿性能が必要かと申しますとシートの内側(壁体内)には、原則として水分があってはいけません。但し、建物には初期含水や外部との温度差による水蒸気の移動など様々なリスクが存在します。

そのリスクを回避していく為には、気密シートの調湿性能は欠かせないものです。万が一、壁体内に水分が入ってしまった際には、シートの外側へ放出される仕組みにしておく必要があります。

2.気密テープ

気密シート同士が重なる箇所や他の材料との接点に貼るテープですが、実はこれが凄く重要です。

良い製品と、良くない製品の大きな違いは粘着性です。あと、粘着の持続性もです。

実は、あしづかホームでも色々なテープを試しましたが最終的に現在の答えとしては、イゾベールのKB1が最適です。

国産の通常の気密テープと比較して金額は定価で約4倍と高価です。しかし、先ほどお伝えしました粘着性、粘着の持続性が抜群です。

初めは価格差が大きいので使用するのをためらうのですが、実際に使用すると通常のものとの粘着力の違いで、先ず通常品に戻ることはなくなると思います。

建物が完成してから壁の中でテープが剥がれていても気付く事すらできませんので、ここは間違いのない選択をしたいところです。

3.窓周りの処理

建物に窓を設置するには少しクリアランスが必要です。

窓設置後にそのクリアランスは放置されると俗に言う隙間となり漏気の原因になります。それと同時に、断熱欠損部分ともなり熱橋を招きます。そして、冬場に結露して建物を傷める原因の1つに繋がっていくのです。

こういう事が起きないように窓周りの気密断熱対策としまして、あしづかホームではウルト社のVKPトリオという窓周り専用パッキン材を使用しております。

この製品は、気密性・水密性・断熱性が備わり更には透湿抵抗までも考えられており、まさにドイツメーカーならではの発想のものなのかと思います。

今回は、ここまでで次回に続きを書かせて頂きますので宜しくお願いします。

因みに今回の内容は過去にも触れておりますので、そちらもご参考までに!

※過去の記事「高気密の必需品!

蘆塚

2020.07