省エネ住宅の補助金は今のままで良いのか
前回に引き続き補助金について書かせて頂きます。
今年の4月にも『住宅補助金のあり方』というタイトルのものを書いておりますが、その内容は、補助金というものに対して私なりの考え方をお伝えしました。
今回は、省エネ住宅の補助金を今後行うのであれば、もっと中身を見直さなければ、本当にバラマキで終わってしまう恐れがあるので、どういう中身が理想であるかを考えていきます。
先ず今年の省エネ住宅補助金として注目を集めたのが“GX志向型住宅”であります。この補助金を受ける要件としては大きく3つございました。
・断熱等級6
・ZEH(太陽光発電等設置)
・HEMS
昨年まで行われていた補助金の必要とされる省エネ基準は、長期優良住宅や所謂ZEH住宅とされていたため断熱等級でいうと5が求められていました。しかし、今年からは補助額が一番高いカテゴリーの“GX志向型住宅”の場合、断熱等級6に引き上げられたので、そこは良かったと思います。
しかし、国が定める2050年カーボンニュートラルというものを実現するには、断熱等級7が普通に建ち並んでいなければいけないと思います。
ただし、これまで日本の家づくりにおいて断熱工事に対する意識が低いかった事もあり、ビルダー側が自ら好んで断熱工事のレベルアップを図ることは考えにくい状況です。
断熱等級7というのは、断熱等級6までとは異なり付加断熱が不可欠となり、施工技術を新たに学ぶことから始める必要がある為、ビルダーからは敬遠されてしまいます。だからこそ、その断熱等級7というものに対して、補助金を行い普及しやすくするべきではないでしょうか。
国の政策として出来るだけ早期に、断熱等級7へシフトする体制を築かねば、断熱等級7へ移行するまでの間に中途半端な性能の建物が多く建設されて、結果的にカーボンニュートラルという目標は遠ざかっていきます。
また、その中途半端な建物を建ててしまった人々は、将来、後悔することにもなっていきます。
そういう意味では、段階を踏むのではなく、早く断熱等級7が当たり前という環境をつくる事が必要なのかもしれません。
したがって、今後の補助金要件としては、先ずはエネルギーを極力使用しない躯体をつくるという事を最優先として、断熱等級は7を基本で考えるべきす。
また、太陽光発電システム等については、建物が完成して生活が始まった後にいつでも設置出来るものでありますから、正直なところ新築時の補助要件としては不要に思います。HEMSについても同様で新築時の補助要件には不要です。
そのHEMSを購入する費用があるならば、それよりも、もっと大切な気密測定を要件として入れるべきです。その場合、C値基準は当然必要で、出来れば0.5は下回るようにしたいですね。
他にも細かい事を言い出せば、施工的な内容として、例えば、防湿や通気層の事など色々出てきます。
でも、先ずは大きな要件として“断熱等級7”と“気密測定”の2つの必要性を広く理解してもらい、多くのビルダーが断熱等級7にシフトする環境をつくっていかなければ、日本の住宅は今後も中途半端な性能のものが増えていくだけで、そこに投資した補助金はバラマキで終わってしまいます。そうならない為にも、せっかく補助金を投入するならば、真剣に先を見据えてた中身でカーボンニュートラルに向かって欲しいですね。
蘆塚
2025.08