熱橋(ヒートブリッジ)対策、基礎と躯体の骨組み

前回の続きで熱橋(ヒートブリッジ)対策について、もう少し具体的に書かせて頂きます。

とりあえず5つあげた項目のうち“基礎”と“躯体の骨組み”について考えてみました。

  • 基礎(コンクリート)

実は基礎については、一度過去に触れており同じことの繰り返しになります。

基礎の場合、外側に断熱する場合と、内側に断熱する場合がございます。

もう、これに関しては圧倒的に外側が熱橋しにくく、外側がお勧めです。

内側は立上りの間仕切りで箇所が必ず断熱材が途切れますので、その箇所が熱橋になります。

そして、もう一つ基礎に係わるものをあげますと床下断熱があります。この場合、玄関と浴室(1Fにある場合)が基礎断熱になると思われますが、この基礎断熱も連続して断熱材を施工しないと熱橋をつくってしまう事になります。

2.躯体の骨組み(木造の場合は木部、鉄骨の場合は鉄部、RCの場合はコンクリート)

先ず、それぞれ材料と高性能グラスウール16KGの熱伝導率を比較してみます。

・木 0.12W/(m・K)

・鉄 53 W/(m・K)

・コンクリート 1.6 W/(m・K)

・高性能グラスウール16K 0.038 W/(m・K)

ご覧の通り、高性能グラスウール16Kと比較すると、木は3.1倍、鉄は1394.7倍、コンクリートは42.1倍熱が伝わりやすい材料になります。特に鉄は凄いですね。

3.1倍の木が一番断熱材には近い存在ではありますが、出来る事なら付加断熱をして熱橋を減らしたいですね。

木造住宅を建てる方で、もしも充填断熱のみの場合で、凄く高性能かつ高価な断熱材を使用するのであれば、少し考え方を変えて高性能グラスウール等の比較的コストパフォーマンスが高い材料にして、充填断熱+付加断熱という考えもアリではないかと思います。

仮に同じUA値であれば、熱橋が無い方が断然良いですから。

次に鉄、鉄骨造の断熱性能が低い建物に住まれた経験がある方は、多分、わかると思いますが、これほど寒いと思わせる建物は他に無いですよ。

実は、私自身が昔にそのような建物で暮らしていたので、身をもってわかるのですが、真冬の寒さは尋常じゃなかったです。家の中でも吐く息が白い時もありますし、トイレが北側にあったのですが、寒すぎて入るのが本当に嫌いでした。まさに私のなかの“キングオブコールド”です。

と、いう事で断熱材は何が何でも鉄の外側にしたいです。でも悲しいことに未だに鉄骨でも充填断熱をしているケースもあるそうなので、それにはご注意ください。

最後にRC造(鉄筋コンクリート造)ですが、こちらも鉄骨同様に断熱が悪いと熱橋の塊となります。

基礎の断熱とも同じ考えで、外側にしたいです。又、RC造と言えば多くのマンションが採用している構造になりますが、残念ながら日本のマンションは未だ外側の断熱は少数派のようです。あー、悲しい。

それでは、次回に残りの開口部(窓、ドア)、貫通部(ダクト類の穴)、断熱欠損について書かせて頂きますのでよろしくお願いします。

蘆塚

2020.02