滋賀エコハウスPROJECTの意味

前回に引き続き、もう少し“滋賀エコハウスPROJECT”について書かせて頂きます。

先ずは、日本全体を見た時にビルダー側が高性能住宅の情報やノウハウを得るために所属する団体は「新住協」、「パッシブハウスジャパン」という2つが有名です。

この2つの団体が存在する意義は大きく、これまで日本の高性能住宅をリードしてきました。

カーボンニュートラル時代の今後は今までよりも注目度も大きくなるでしょうし、加入されるビルダーさんも増えていく事と思われます。

両団体に加入されているメンバーの方々は非常に熱心で真面目に取り組まれている印象が強く住宅業界としては、良い意味で異色かもしれません。

滋賀エコハウスPROJECTのメンバー殆どもいずれかに加入しています。

では、何故、滋賀でわざわざ同業者が集まる必要があるのか?

日本の国土は面積の割に東西南北に広がっており、地域によって年間の気候条件が異なります。両端の北海道、沖縄はもちろんですが、本州内であっても地域によって気候は様々で同じ暖房需要・冷房需要にする場合の断熱を含める仕様はエリアによって大きく異なります。

更に滋賀県においては中央に大きな琵琶湖があり、同じ県内であっても東西南北での気候が異なりますので、例えば大津市南部と湖北では全く違う気候エリアになり建物仕様にも結構な差がでてきます。

そういう事を踏まえて、他府県の方々と情報交換することも大事ではありますが、滋賀県で住宅づくりを行う中で、同エリア内で同じ考えを持つ者同士が情報やノウハウを共有できるという事は非常にお互いの為になり、より早くそのエリアにおいての“正解”を導き出せると思います。

一昔前ならば同県内の同業者といえば商売敵となり互いに敬遠しあう関係なのかもしれません。しかし、今の時代、そういう考えではお互いの利益になることは少ないのではないでしょうか?

協力し合ってより良い答えをそのエリアに残す方が地域への発展に繋がりますし、そして何よりエンドユーザー様の家づくりに対しても有効活用できます。

今後の環境問題や社会情勢を考えた時に、これまでのスタイルでは持続不可能な事柄は多岐にわたると思われますが、少し考え方を変えていくことで、その事柄が持続可能になっていくこともありますので、時代の流れで、そして自然な形で“滋賀エコハウスPROJECT”という集まりができたのかもしれません。

このグループが存在する意味は滋賀に“正解”とされるエコハウスを広めていき皆様に知って頂く事です。それが最終的に環境や地域の貢献となれば尚良いのかなと考えます。

蘆塚

2021.07