改めてパッシブハウスを考えてみる 続き

前回からの続きで「パッシブハウス」について書いていきます。

今後は世界的にエネルギー問題が今よりも深刻化していく事は目に見えているのですが、現在の日本の政治は、どうも純粋に皆が協力して良い方向に向かっていきましょう!という空気を感じることがなくて、一部の人間の利権とか忖度とか、私たち一般人からするとどうでもいい理由に振り回されているように思えて仕方ありません。

その一部の人間に都合の良い仕組みにされて、好き勝手な事が行われて、最終的に一番困るのはいつも多くの一般人であります。そこで、少しでも振り回されないようにする為には、自ら自衛するような行動に移していくしかないのかも知れませんね。

その中で、出来る事も限りがあるとは思いますが、これから住宅を持つ方々であればエネルギー使用量を極力少なくする事は、どなたにでも可能です。

もちろん、全てのお家がパッシブハウスのようになれば、それが一番良いのですが、立地条件や金銭面など、それぞれに事情がございますから全てがパッシブハウスにとは、なかなかなりません。

しかし、そこに近づける事は少しの知識の差や接する人物の差で大きく変化します。

例えば、全く同じ予算で同じ性能のものを建てる場合であっても、窓のとり方や方位への考え方ひとつで住み心地やエネルギー使用量は変化します。

又、建築コストの配分で優先順位のつけ方も重要であり、すごくコストのかかっている建物であっても、断熱・気密や窓などに全然コストをかけずに、意匠や設備ばかりを豪華にしていても決して快適で豊か且つ省エネに優れた建物とはなりません。

やっぱり、どのような建物であっても、これからの基本はパッシブハウスのようにシンプルな考えのもとエネルギー使用量が少なくて生活できるものにしなければいけないとは思います。

そのシンプルな考えとは、特別な設備を使用しなくても快適性を維持できることが大前提です。例えば冷暖房であれば、家庭用容量のエアコンが1台あれば家中を快適にできるような事です。

それには、先ず、躯体性能(断熱・気密)を上げることと、日射取得でのエネルギーを有効に活用するということが何よりも大切であり、そこが出来ていない建物について設備の仕組みだけでエネルギー使用量を減らして快適にするという考え方は、そもそも無理のあることなのかと思います。

“パッシブ”=“受動的”  “アクティブ”=“活動的”

上記の言葉の意味通りなのですが、日本では未だ“アクティブ”な考えの建物が多いように感じます。

特別な装置や仕組みを必要としない“パッシブ”な考えで建てていきませんか?

蘆塚

2022.07