建物の価格について 続き
今回も前回に続き建物価格の事を書いていきます。
前回は、ここ10年程で建物価格が高騰した旨をお伝えしておりまして、その高騰した理由の多くは、消費税率が上がった事や、物価高騰が大きく影響しているという内容でした。
ただ、価格高騰の理由は、その他にもございますので、それが何かを考えてみます。
先ず、最初に思いつくのが建物性能の向上です。その性能向上の中にも2つの項目があります。
今年の4月から建築基準法でも改定がありました外皮性能(断熱性能)と耐震性能です。
ともに近年非常に注目度があがり、ビルダー、ユーザーともに意識に変化がでている項目です。
しかし、この2つの性能を上げるためには、当然ながらコストがかかります。外皮性能の場合、約10年前は断熱等級4(滋賀でUA値0.87)が等級として最高の扱いで、当時は、その基準すら満たさない建物が多くみられました。それが、今では断熱等級5、6、7と追加されて、等級5(滋賀でUA値0.6)は当たり前になり、更には等級6や7の割合も随分と増加していると思います。
その事によって、断熱材の使用量増加、窓のグレードアップが図られて、自ずと価格アップにつながっています。
耐震性能につきましても同様の事で、約10年前は今から思うと耐震等級3や2といった建物の割合は全体からすると随分と低かったと思います。
それが、今では税金軽減の条件や補助金の要件に長期優良住宅(耐震等級2以上)であることが必須となった事もあり、ユーザーの方たちも耐震等級2以上を求められます。
こちらに関しても、外皮性能同様に材料費や構造計算費などといったグレードアップに対するコスト増加は避けられない状況です。
このような感じで、消費税率増加、物価高騰、そして性能向上によるコストアップといった理由があげられます。
そして、もう一つ建物価格が上がった理由で思いつくものがございますので、この内容については次回に書かせて頂きますので引き続き宜しくお願い致します。
蘆塚
2025.05