年間暖房需要30kwh/㎡?

前回の続きです。

年間暖房需要・年間冷房需要の下限値をそれぞれ30kwh/㎡以下に...と簡単に書かせて頂きましたが、では、実際にその値とはいかなるものかをもう少し分かりやすく書いていきます。

この値ですが、日本国内で今すぐその基準で建てて下さいとなると恐らく大多数のビルダーさんは対応できないと思います。

しかし、だからといって、もっともっと簡単な基準を設けたところで何の意味もなく、エネルギーを浪費する建物が増えていくだけの事になります。

真面目にカーボンニュートラルを考えて地球温暖化を止めようとするのであれば、いずれはぶつかる壁でありますので、私自身は早くその壁にぶち当たって、早く解決策を見い出す方が将来の為であり、地球やそれぞれの地域の為になると考えております。

話は本題に戻りますが、年間暖房需要・年間冷房需要それぞれ30kwh/㎡以下

皆様が馴染みのあるUA値やC値はどれぐらい必要か?といいますと、一般的な戸建て住宅でUA値は0.3以下、C値は0.5以下が必須になると思われます。(関西エリアの場合)

窓は木製か樹脂製でトリプルガラス、断熱工事としては付加断熱が必要になるレベルになります。

又、設計の際に建物方位や窓の大きさ、レイアウトにも気を遣う部分もでてきます。

これぐらいのレベルの建物を一度も扱った事のないビルダーさんからすると、すべてが非常に難しいように思われるかもしれませんが、真面目にさえ取組めば、決して無理なものではありません。

弊社も取組むまでは、当たり前ですが経験が無く始めております。ましてや今は弊社が始めた頃よりも、情報量にしてもエコハウスに適した商材なんかも増えておりますので、始める環境としては確実に良くなってきております。

初めて取組む際は色々と分からない事も多く不安かも知れませんが、逆にいいますと取組まなければ永遠に不安なままで何も解決しない問題でありますし、何より本当に快適な領域というものが一体どんなものか?すら分からないという事にもなります。

普通の感覚を持っている人間ならば、一旦、この領域を知ってしまうと大昔に定められた省エネ基準法の現在でいうトップランナー基準という時代錯誤のものでは、到底満足は出来ないです。

先ずはビルダーやエンドユーザー様の多くが性能での違いを体感して知って頂くという事が大切かと思われます。

蘆塚

2021.08