医療施設の建物

皆様お元気でしょうか?私は、先日まで体調を崩しており寝込んでおりました。

そんな事で久しぶりに診療所へ診察にお伺いしましたが、建物の温熱環境が凄く悪かったので、今回はその内容について書いていきます。

それは、今回、お伺いした診療所に限った事ではありませんが、大半の医療施設は建物性能や空調設備があまり良くない印象です。

実は、過去にも医療施設の温熱環境について記事を投稿しておりますので、宜しければ以下リンクもご覧いただければありがたいです。

医療施設の温熱環境 | 滋賀で本気のエコハウス 高気密高断熱住宅(パッシブハウス)の設計施工 あしづかホーム

過去の記事にも書いておりますように、医療施設の待合は、冬場、もの凄く寒いです。風邪をひいている時は特にこたえます。今回、診療所にお伺いした際に改めて建物を見ていると、断熱・気密性能の低さに加えて換気機器の選定や使い方にも問題があるように思いました。

恐らく診療所を運営されている側からすると、良かれと思って、換気運転を“強”にされていると思います。壁付けの3種換気ですが、とにかく風量が凄いです。

見た感じ建物は断熱・気密性能がしっかりと確保出来ていないので、換気機器周りは、ショートサーキットして外気からの冷気がぐるぐると回っている感じです。

多分、換気機器周辺だけが空気の入れ替えがなされていて、肝心な人がいるゾーンの空気は入れ替え出来てないだろうなと思い見てました。

それに加えて、建物の保温性も良く無いので、暖房の熱も直ぐに外へ逃げていきます。したがって、本当に足元がよく冷えます。

今回、久しぶりに診療所へお邪魔して、医療施設にはしっかりとした断熱・気密性能が不可欠であると改めて思う事になりました。この建物の性能が悪い原因は何なのか?と考えると、日本国内全体における断熱・気密性能の意識の低さであるとは思います。

住宅においては、少しずつですが良くなってきている兆しはありますが、病院のような施設や学校、商業施設は、まだまだそこへの意識が届いてないです。性能に対する法的な基準も緩いですし、何より事業主側は収益性ありきの計画を最優先します。

ただ、長い目で見た時に、その収益性ありきの姿勢が結果的に収益低下につながるようにも思えてしまいます。

将来的に、社会全体に断熱・気密の大切さが浸透した際には、誰もが快適な温熱環境の施設を求めるようになりますから、その時に、「あの病院は寒いから行きたくない」と思われないようにしておく必要がでてくることでしょう。

いずれにしても、人の体をケアする場所で、健康状態が悪くなるようでは本末転倒かと思いますので、医療施設も快適な空間づくりを行うという事が、普通に行われる世の中になってもらいたいですね。

蘆塚

2025.12