エコハウスの暖房運転は連続が良いのか?

今回も前回に続いてエコハウス(高気密高断熱住宅の断熱等級7クラス)の暖房運転について書かせて頂きます。

前回は、エアコンの暖房運転を開始するタイミングについて書かせて頂きまして、その時にも少し触れたのですが、エアコンの運転方法は暖房シーズンを通して連続運転が良いのか?又は、間欠運転が良いのか?どっちなのでしょうか?

あしづかホームのコンセプトハウスでは、冬の暖房運転について、新築時から冬のシーズン中は連続運転を行っておりました。

その連続運転というのは、冬の始まりから冬の終わりまでという意味合いでざっくりですが、11月から3月ごろまでという感じです。

何故、そうしていたかといいますと、間欠運転よりも連続運転の方が“エネルギーを使わない”といった意見や“室温がキープしやすい”といった意見をコンセプトハウスが完成する前から聞いており、コンセプトハウスでは単純にその考えに沿って実践しておりました。

そして実際に、連続運転の方法で非常に快適に過ごせており、この方法で間違いないと思っていました。というか、今もそう思っています。

特にエコハウスではない建物の生活から、エコハウスの生活に変わってから当初1、2年の間というものは、その温熱環境の素晴らしさに感動します。本当に、今までの建物とは全然違うという実感が凄くあります。

尚且つ光熱費も安い(エネルギー使用量が少ない)という事で、いいこと尽くめです。

もちろん、今でもその快適性に変わりはありませんが、今では、その快適性が当たり前となってしまっています。

多分、他の建物で過ごす機会があると、今の環境がありがたいものであると再認識できると思います。

話は少し逸れましたが、それほど快適なのに、何故、今さら間欠運転を行おうと思ったのか。それには、2つ理由があります。

先ず1つ目ですが、それは、連続運転の方が本当に省エネなのだろうか?という疑問です。冬の期間であっても、一日の間で、昼間と夜間では温度差があります。平均するとその差は7℃、8℃ぐらいです。恐らく晴天時は、もっと差が出ています。

その晴天時の場合、昼間は日射取得で室温が下がることがあまり無いので、その昼間は暖房運転をしなくても大丈夫じゃないかな?という考えです。

その暖房運転をしない時間帯をつくることで、連続運転時とのエネルギー使用量の比較をしてみたくなったという事です。

そして、2つ目です。それは、あしづかホームがエコハウスを造りだして10年経過しました。

その間に何十棟とエコハウスの設計・施工をさせて頂きました。そうすると、それなりに色々とデータが蓄積されていくもので、そのデータの中には良いものが多くありますが、中には、あまり起こって欲しくないネガティブなものも存在します。

それは、具体的にいいますと不具合です。その不具合の中でも最も件数が多いのがエアコンです。

どのような不具合かといいますと、その殆どが室内機の熱交換器からのガス漏れです。症状は熱交換器に使用される金属管の腐食によって金属管にピンホールが出来て少しずつガスが漏れるという事です。

一般的にエアコンの耐用年数は10年とされているみたいで、その10年というのが稼働時間をどれ位で想定しているのかは分かりませんが、恐らく、10年間ずっと連続運転をしてという事ではないと思います。

ということは、稼働時間を少しでも少なくして負担を減らした方が長持ちすのかな?とう考えす。

これまで、エコハウスを建てさせて頂いたお客様の中には、間欠運転をされている方もおられます。そのお家のエアコンで熱交換器からのガス漏れは今のところ聞いた事はありません。もちろん機器の個体差というものもあると思いますので断定は出来ませんが...

そういう事もあり、現在は間欠運転を試すようにしています。恐らく数年後には何らかの情報は得られると思いますので、その時には、この場でも結果をお伝えするように致します。

エコハウスに限らずかもしれませんが、エアコンや換気などの空調は奥が深いとつくづく思わされます。

蘆塚

2025.11