エコハウスの暖房の運転はいつから?
秋らしい日が続き庭の木々も少しずつ紅葉してきました。
今の時期は一日の間で結構な寒暖差がありますので、朝晩に外を出ると寒いと感じることも多くなりましたね。
毎年、これぐらいの時期からエアコンの暖房運転を「どうしようか?」と考えるようになります。以前は室温が20℃を下回ったら運転するようにしておりました。そして、一度運転を開始すると暖房のシーズンオフまで一度も切らず数カ月連続運転にしていました。
その方法を長年続けておりましたが、1、2年前から少し考えが変わりまして、連続運転はやめて間欠運転にしています。その理由については改めて書かせて頂きますが、先ずは暖房を運転するタイミングについて書いていきます。
暖房の運転開始時期といいましても、世の中には様々な建物があって全てのケースを当てはめるのは無理があると思いますので、今回は断熱等級7クラスの性能を持つエコハウス(高気密高断熱住宅)という条件に致します。
その断熱等級7クラスの性能を持つ建物であっても、立地や建物の容積、入居者数などの条件が異なることで、結構な変化がでてまいります。
先ず、立地についてですが、大まかな地域とその土地の周辺環境という2つの要素があります。これから書いていく内容について、大まかな地域は滋賀県周辺とさせて頂きます。
そして、周辺環境というのは、同じエリアの気候条件であっても、前面道路の方角や隣家の位置関係で環境は随分と変わってきます。
その環境の違いは、日射取得に大きく影響します。例えば、建物の南側に道路があり障害物が無い立地ですと日射取得はしやすくなります。逆に建物の南側に隣家が迫っていたりすると日射取得はしにくくなります。
日射取得がしやすいという事は、窓から暖房されているのと同じでありますから、エアコンの暖房運転を開始する時期は比較的遅くなります。その年の気候にもよりますが、日射取得の良いお家は12月の中旬ぐらいでも無暖房で暮らしておられるご家庭も多いと思います。
実際に、あしづかホームのお客様のお宅で、12月や1月でも天気が良い日には室温が上昇してオーバーヒートするので、窓を開けて温度調節されているケースもあります。
一方、日射取得がしにくい立地の場合は、11月ごろから暖房運転を開始するケースも珍しくありません。あしづかホームのコンセプトハウスの場合は、まさにその条件で、曇天が続くと確実に室温が少しずつ下がっていきますので、そのタイミングで暖房運転します。
次に建物容積についてです。これも大きさの違いで差は出ます。小さい建物よりは大きい建物の方が、保温している熱量も大きいので、室温の下がり方も遅いです。
例えば、あしづかホームの社屋とコンセプトハウスでは、立地条件が同じで断熱スペックも同じでありますが、建物の大きさが異なる為、室温の下がり方にも差がでます。社屋はコンセプトハウスに対して1.7倍ほど容量が大きいので、社屋の方が室温の下がり方が遅いです。
また、入居者数にも影響されます。大人1人当たりの発熱量が、およそ100Wといわれておりますので、人の数が多いほど暖房の量が多いという事になります。
2人であれば200Wで1人分の足元を暖めるホットカーペット程度の僅かな暖房です。しかし、10人になると1000Wになるので、一般的な電気ストーブ程度の能力があります。その場合ですと、性能と日射取得が良い建物の場合は、殆ど暖房が要らないという事になります。
以上のように、エコハウスでの暖房開始時期は、立地や建物の容積、入居者数によって異なります。ただし、一般的な住宅規模で家族構成も特殊では無い限り、日射取得の条件での影響が大きいと思われますので、やはり、我慢せず省エネで快適に暮らすには、土地選定や設計段階からしっかりと計画しておくことが大切です。
次回も、暖房について続きを書かせて頂きますので宜しくお願い致します。
蘆塚
2025.11


