パッシブハウスの気密測定 続き

今回は、前回に続きパッシブハウスの気密測定の事を書かせて頂きます。

気密測定を行った際に、その結果を示す値は一般的に馴染みがあるのがC値になると思います。

このC値とは、何の事かといいますと“床面積当りの相当隙間面積:㎠/㎡”のことで、この値が小さいほど気密性能が高い事を示します。

因みに、そのC値は相当隙間面積(αAと呼ばれます)を実質延床面積で割り算したものです。

尚、実質床面積というものは、一般的な延べ床面積に小屋裏空間や床下空間の気積を付加して算出します。

一方で、パッシブハウスですが、どういう値で基準を定めているかといいますと、『50Paの加圧時の漏気回数0.6以下』という何とも分かりにくい表現のものになります。

その分かりにくい表現を説明しますと、気密測定時には、一定の圧力をかけ続けるのではなくて段階的に圧力を変えて5点以上のそれぞれの通気量を確認します。50Paとは、その内の1点のことです。

また、漏気回数0.6以下というのは50Pa時の通気量(㎥/h)を建物の気積(㎥)で割り算したものになります。したがって、例えば、測定結果の50Pa時の通気量(㎥/h)が150としまして、その建物の気積が300とした時には、漏気回数が0.5回ということになりますのでパッシブハウス基準はOKです。しかし、これが通気量200ですと、漏気回数が0.66回となりますので、パッシブハウス基準はアウトということです。なんとなく、お分かり頂けましたでしょうか?

それでは、その『50Paの加圧時の漏気回数0.6』は、C値でいうとどれ位にあたるかが気になると思います。それは、およそC値0.2程度であります。

ということですので、パッシブハウスをつくる時にはC値0.2を下回るような施工技術は身につけておく必要があります。

日本では、気密測定自体が、まだまだ一般化されてはいない状況ですが、一昔前から比べるとかなり気密測定を行うビルダーが増えてきました。

ただ、未だ法として気密の基準が無いという事実はございますが、性能向上に意識を持ったビルダーは、もはや日本の基準でお家づくりは行わなくなってきている気がします。

下限が無い代わりに上限もございませんので、上を目指すビルダーは、どんどん上を目指していけば良いと思います。

蘆塚

2024.09