断熱材の種類について 続き

今回は前回の続きで断熱材の種類などについて書いていきたいと思います。

前回は、あしづかホームが通常採用している断熱材が裸のグラスウールであることや、採用している理由などを書いておりました。

あしづかホームがこれまで建てさせて頂いたエコハウスの殆どは断熱材が裸のグラスウールを採用しており今後もそれが変わることは考えにくいと思います。

しかし、注文建築の仕事を受けさせて頂く敷地条件というものは様々で、広く大きな敷地があれば、その反対に比較的小さな敷地もあります。

いずれにしましても、その条件の中で最善を尽くして、最高に快適で、そのお家の住人の方々にとって居心地が良い空間を造っていくのが我々の仕事であると思っています。

そういう考えでモノづくりを行っていると、時には、厳しい条件に出会ってしまうこともでてきます。

現在、京都市内で工事をさせて頂いている現場は、まさにそのような感じです。

少し前のこのブログでもお伝えしました通り、その現場とは京都市内の準防火地域でパッシブハウス認定を目指している建物です。

その現場の敷地は、比較的小さくて隣地との距離は広くとれません。ただ、パッシブハウスを目指しているぐらいですから、壁断熱の厚みは高性能グラスウールで300mm欲しいところです。

ところが、壁の厚みが厚くなればなるほど、室内の居住空間は狭くなる訳で、室内の広さの事だけを考えると壁の厚みは出来るだけ薄い方が良いです。だからといって、単純に壁を薄くすると断熱の厚みも薄くなり性能が悪くなりますので、パッシブハウスからは、かけ離れていき、大きな矛盾が生じます。

このような場合、どのような解決策があるかといいますと、性能は落とさないまま断熱材の厚みを薄くするという方法にでます。

つまり高性能グラスウールより性能が高い断熱材を選択して厚みを少なくするということです。

今回の京都市内の建物につきましては、柱充填部分はいつも通りの高性能グラスウールにして、付加断熱部分にフェノールフォーム(ネオマフォーム)を選択しました。

フェノールフォーム(ネオマフォーム)の熱伝導率は0.020W/(m・K)で、一般的な高性能グラスウール0.038W/(m・K)と比較すると倍近く良いです。

そんなに良い断熱材があれば、最初からそれを使ったら?と思う方もおられると思います。

ただ、私はフェノールフォーム(ネオマフォーム)の全てが良いとは思っておりません。

その理由は、先ず、非常に価格が高いです。石油由来の材料ですから、現在の世界情勢で更に値上げがなされます。

また、石油由来の材料である為、ライフサイクルカーボンという視点で考えた場合に、けして良いとは言いにくいかなというところです。

でも、今回のようなケースや、他にも様々な理由でフェノールフォーム(ネオマフォーム)でないとクリアできない状況というものがあると思いますので、そういう時は、頼りになる材料でもあります。

結局のところ、世の中に断熱材の種類は沢山ありますが、いずれの材料であっても施工の良し悪しで、その断熱材のポテンシャルが発揮できるかが決まるのと、種類の選定は設計計画時に臨機応変な判断が必要になるということではないでしょうか。

したがって、『大工さんが楽だから』とか『気密処理が要らないから』などといった実際ではありえない理由で断熱材は選ぶものではないと思います。

それぞれの断熱材が、正しく施工されれば相応のスペックは得られますので、その辺りのご判断をお間違いないようお願いいたします。

蘆塚

2026.4