地産地消の現状「木」の場合

前回の続きで、もう少し地産地消について書かせて頂きます。

建築の地産地消は今の時代、結構難しいのかなと前回お伝えしております。

しかし、出来る事は少なからずございまして「現状出来ている事は何か?」考えてみました。

住宅建築に関する地産地消という言葉で、最初に思いつく材料は、何といっても「木」ではないでしょうか。あしづかホームが建てる住宅の場合は、基本的に木造ですし、内装においても床は木が多いです。

又、外装にも板材を使用する事は、そこそこありますので一番利用できそうな材料に思います。

それでは、あしづかホームが現状どれだけ滋賀県の木材を使用しているのかとなりますと、実際にはほんの一部にすぎません。具体的な内容は建物ごとで割合は変わりますが、一番良く使用する場合、構造材で3割から4割程度の使用量です。

この割合ですが、低いと感じるかもしれませんが意外とそうでもないのです。もちろん、もっともっと割合の高いビルダーさんもおられるかもしれませんが、恐らく大多数のビルダーさんは使用量0%に近いのだと思います。

何故なら、滋賀県は山に囲まれた環境で一見林業が盛んなのかと思いがちですが、そのような事はなく材木の生産が決して多い県とはいえません。むしろ、どちらかと言えば全国的には低い部類に入ります。

したがって、需要と供給のバランスがとれておらず意識的に滋賀県産材を使わない限り、普通の流通ルートで使用する事は、まずありません。

その為、結果的に外国を含めた他エリアの材木を使用するケースが増えてしまいます。

行政(滋賀県)も地域産材を利用した場合の補助金を行ったり対策はされているようですが、正直なところ、その効果で新たな市場が出来ている気配はありません。

この状況は将来的にどのようになるのかと考えた時に、今のままでは担い手等の問題もあり良くなる要素は少なく先細りしていく感じがします。

と、このようにネガティブな内容になってしまいましたが、これが正直なところです。

人間誰しも出来る事なら地元の発展を望み貢献したい思いはあります。しかし、社会全体の問題で難しいケースもでてきます。

結局のところ、将来の事はどうなるか分かりません。又、地産地消が本当に良い事なのかも分かりません。

しかし、正解が分からない中でも、少しの可能性や僅かでも地域貢献や環境負荷低減という選択肢があるのならば、これからもそれを選んでいきたいと思いますし、今より更に意識を高めた行動する必要もあると考えております。

蘆塚

2021.02

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