コスパが良いってどういう事?

前回、UA値=0.46の事を書かせて頂きましたが、その事で触れておきたいことがあります。

他社で“0.46が良いですよ”と聞いてこられたお客様の中から、ちょくちょく耳にするのが、“0.46が一番コスパ良いと聞いてきた”という内容です。

コスパとはコストパフォーマンスの略で、日本語だと費用対効果ということは誰でもご存知かと思います。

示すところは、あくまでも価格と価値のバランスでの効果の大きさで満足度が必要なものです。そもそも対象の価値については、人によってそれぞれ異なるはずです。

例えば、パッシブハウス性能を求める人にとって、建築費が坪当たり100万円したとします。一般的には安くない単価かと思いますが、住人が性能に凄く満足されて充実した生活をされていれば“コスパは良い(高い)”になります。

又、家はとにかく安価な方が良くて断熱性能は一切不要と思っている人にとっては、UA値=0.46の建物が高額に思えるかもしれません。その場合は“コスパは悪い(低い)”になります。

ただ“0.46が一番コスパ良い...”は、私も何となく言わんとする事は解るんです。前回お伝えさせて頂いたように0.46は「簡単レシピ」的な要素が実際にありまして、現在、国内の住宅用建材メーカーが推奨して販売するものをチョイスして付加断熱をしないで、窓もペアガラスで建築すると、大体その値に近いものが出来ていきます。

そういう意味では、業者側(設計・施工共に)としては“扱い易いゾーン”なのは間違いないです。

ただし、それは供給する側の都合であり、消費者の方々がどう受け取るかは、別の問題なのかなと思います。

実際のところ表現の仕方が難しいので“一番コスパが良い”と言われているのかもしれませんね。

結局のところ、私が個人的に思う事としましては、高性能なエコハウスを求めるニーズは、今後更に増え続けていくと考えられるます。それはUA値=0.46よりも、もっともっとレベルの高い次元で、そこの領域までは、もう、それほど時間がかからないように思うんです。

今まで世界の非常識だった、この国のレベルが、だんだん消費者の方々には分かってきている現状をみると...

そう考えた時に、業者側が明らかに後れをとってしまい、今のままでは消費者の方々は満足度が得られなくなっていきます。

その為に“扱い易いゾーン”のレベルをもっと上げる努力を業界全体がしていく時期に差し掛かっているのでは?と思っているのは私だけでしょうか?

いやいや、他にも沢山おられると思いますので、是非上げていきましょう。

蘆塚

2020.06

高気密高断熱

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