前回にふれておりました気密測定の実施が、なぜ重要か?について書かせて頂きます。

ご紹介しました鳥取県が取組む省エネ住宅補助金を受ける条件にC値=1.0をクリアするように決められています。

これは、私が知る限りですが行政機関の決める基準としては非常に珍しく、気密測定実施を求める事は恐らく他では聞いた事がないように思います。

C値の基準を決めたという事は、気密測定を行わないといけません。UA値やQ値と異なりC値だけは必ず現場での実測になります。測定せずに「だいたい、〇〇です」という答えはありえませんし、何の意味も持ちません。

これまで、日本国内のビルダーの殆どは気密測定を行う必要がなく行ってきませんでした。しかし、気密測定を行っていくことによって確実に施工者の意識が変わってきます。

私は“C値=全体の施工精度”と思っております。

この何年かで色々な建築現場を拝見させて頂きましたが、共通していることは、C値が良い現場は“断熱施工も綺麗”、“外壁の透湿防水シートの貼り方も綺麗”と気密処理だけにとらわれず、他の部分も丁寧な仕事が施されております。

これには、理由がございまして、気密測定を意識して施工する事により、ほんの少しの隙間もあってはいけないと実際に施工する現場の職人さんや管理する工務店のスタッフも隅々までチェックする習慣が身につきます。

そうなんです、今までは気付いていなかった点までしっかり見えてくるのです。

 

そしてC値=1.0といった明確な基準ができることで、普通に向上心のある施工者なら、その更に上の値を目指すようになります。

実際に、私の会社の場合でも当初0.5と定めていた値は、最初のうちは手探りの施工でギリギリのクリアだったものが回を増すごとに確実に数値が良くなっていきました。

今までの経験から言えることは、丁寧な施工を心がければ初めてのトライでも0.5はクリアできていきます。そして、更なる試行錯誤で0.3、0.2と良くなり悪くなることはありません。

気密の施工は意識をしなければ1.0を下回ることは到底できないのですが、意識していけば1.0は凄く簡単です。ですので、たとえ1.0という基準であっても、意識をもって施工するという行為に繋がりますので非常に効果的であると考えます。

 

どうか、こういう鳥取県のような取り組みが日本全体へ浸透してもらいたいですね。

 

蘆塚